我が家の娘は大学4年で留年し翌年やっと卒業できた。
あとは国試に受かれば一年のブランクなんて
なんの問題もない。
そう思っていたけれど甘かった。
国試に落ちた。
2点足りずに。
今でも思い出すと胃の辺りがキューっと締め付けられるような感じになります。
う〜ん。辛かったな。
合格していたら今頃どんな生活をしていたんだろうって時々考えてしまう。
親ですから、子供の一番の理解者であり、サポーターでありたいと思うのは
当然だと思っています。
でもそれはあくまでも「勝手に」思っていることであって、
子供に恩義せがましく言ってはいけないと自分に言い聞かせています。
諦めるの?本当にそれでいいの?何度も言いかけました。
でも最後は見守るしか無いんですよね。
冷静になるために相当の時間を要しました。
かっこよく言ってしまいますが
子供が私を育ててくれたと心の底から思っています。
さて、国試不合格だった娘のその後についてお話ししたいと思います。
そして私の気持ちを批判覚悟で吐き出します。
娘
すっぱり諦めた
初めはどうしても諦めきれないと言っていましたが、
自分の気持ちに嘘をつくことも、
もう一年頑張ることもできないと思ったのでしょう。
涙ひとつ見せずに「就活します」と言った。
すぐに派遣に登録し就きたい職種の話をしてくれた。
そしてなんとか就職することができたのでした。
就職したけれど
初めのうちは頻繁に連絡がきて、こんな仕事でこんな人がいてと色々話をしてくれた。
忙しいようで、それなりの給料ももらっていた。
ただ、みんな経験することだとは思うけれど当然壁にぶち当たった。
一年は頑張ってみるけど、ずっと続けたい仕事ではないかなと言うようになった。
勝手に仕事を辞めた
一年経った時、仕事をやめたと連絡があった。
勝手にやめたと目次に書きましたが、
本来は離職する前に親に事前にお伺いを立てることなんて必要ないんです。
一応、退職後の手続きはきちんとやるように伝えました。
その後のことも聞いてみましたが、しばらくはアルバイトかなって。
心も身体も健康で楽しくやっている
なかなかバイトが見つからず大変だったようだけれど、
ようやくいいバイトがみつかって働いています。
娘には地元の時からの親友がいます。今も近くに住んでいるので、親に言えないことも相談していると思います。本当にありがたい存在です。
そして、彼氏もできてさらに楽しそうに過ごしています。
仕事を辞めて、バイト生活にしたのは彼氏が住むところに行って一緒に生活したかったからだそう。
そして、彼氏と一緒に同棲の許可をいただきたいと律儀にご挨拶にまで来てくれ、彼氏の実家にも挨拶に行き、あっという間に行ってしまいました。
私
ここでもまだ親のエゴ発動
まさにエゴと見栄を捨てきれないダメな私。
プライベートなことを結構喋ってしまうタイプの人間でした。(今は違います。)
口は災いの元とはよく言ったもので、人にベラベラ喋ってしまうと、
後から色々聞かれてしまうことに気がついた。
もう誰も私に娘のことを聞かないで欲しい。
しばらく下ばかり向いていたような気がします。
別に悪いことをしているわけではないんですけどね。
高校卒業するまで、成績も良かったし、部活も頑張っていた自慢の娘でした。
もう、自慢とか言っている時点でだめですね。
子供とはいえ私の所有物ではないのだから、他の子のことも含め、
他人に自分の子供のことを色々話すことはやめることにしました。
夢、本当に諦めていいの?
私の気持ちの中で、ひとつ揺るぎないものがあった。
それは、もし娘がもう一年頑張ってみたいと言ったら応援しようと思っていることでした。
人生の中で20代って心も体も一番頑張れる時だと思うんですよね。
ここで頑張らなかったら後悔するんじゃない?
何度も言おうと思った言葉です。でも言っていません。
人に言われて頑張ることではないと思っているからです。
でもねぇ、2点ですよ、2点。諦めきれないです。
「親にこれ以上お金を使わせたくないとか思っているなら心配ご無用!
お金出すよ。それくらいの思いがあるんだよ。頑張ってみなよ!」
やっぱり言えないです。
まだ独り立ちしていないから
留年したタイミングで夫の単身赴任が決まり、娘と夫は同居することになった。
二人のことなので、生活費のことはノータッチだが、
夫に聞いてみると生活費としては一銭ももらっていないとのこと。
食費は娘が買い出しに行った時は娘が払っているみたいですが、
これが一人暮らしだったら、経済的には苦しいと思う。
まだ独り立ちできていないんだよって言いたくなる時もあったけれど、
やっぱり娘には甘くなっちゃうんです。夫も私も。
お金のこと
時々思うのですが、五年間の学費を必死に払って、今アルバイトですか?
大学の費用でいくら払ったと思っている?
理系の私立大学の学費って高いんだよ?
国民年金も払ったんだよ?
ここはリアルな本音。
思うこと
今の娘は私を必要とはしていません。
決して、拒否されているわけでは無いけれど、いちいち相談もなければ、
了承を得るなんてこともありません。
それでいいと思います。
いつか、このブログの存在が娘にバレた時(笑)、
娘にその時の私の気持ちが伝わってくれればいいなと思います。
なんて思うかはわかりませんがどちらでもいいです。
だってその時思っていた本心なんですから。
きっとひとりで泣いたこともあると思うし、友達にも会いたくないと思ったこともあるでしょう。
だけど、この経験がひとまわりもふたまわりも娘を大きな人にしてくれた。
そしてきっと人の痛みがわかる優しくて強い女性になる。
長い人生の中の二年間なんて、ほんの一瞬。
負け惜しみに聞こえるかもしれないけれど、資格なんてなくても
娘が健康で幸せに過ごしてくれればもう言うことはないです。
悶々とした日々から抜け出せたのは、やっぱり「時間」。
それと「同じような悩みを持つ方の思い」でした。
そして最後に、娘が辛い思いをしている時ずっと一緒に暮らしていた夫はというと‥
先に家を出たため、『鍵を返せよ〜、今までありがとうね。』
の言葉を置き手紙にして伝えたそうです。
それまで寝ている娘の部屋を開けたことはなかったようですが、
その日だけは娘の寝顔を見て家を先に出たそうです。
私には、「太い足出して寝てたわ」なんて言っていましたが・・
そして、娘が家を出たことについて、全然平気だよ。と言っていたけれど、
空っぽになった娘の部屋の写真を送ってきて、一言『さびしいな』と。
でも、いつかは親元から離れるし、離れてくれないと困るし。
私がいるじゃんって言いたいけれど、ママじゃなぁ〜と言われるのがオチ。
でもね、子供たちは私たちが仲良くしていることが一番の安心なんじゃない?
子供達の不安材料になるような事はひとつでも減らし、これからも見守っていこうと思います。
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