年金が減るならもう働かない?在職老齢年金によくある5つの誤解

年金について

「働いていると年金が止まる」と思っていませんか?
実は、条件によって全額支給される場合もあるのです。
この記事では、在職老齢年金についてよくある誤解と正しい知識を解説します。

在職老齢年金とは

年金を受給しながら働く方について、一定以上の給料・賞与がある場合、
年金の一部または全部が支給停止となる場合があり、
この制度を在職老齢年金といいます

対象者

 ・老齢厚生年金を受けている厚生年金(共済年金)加入者

 ・老齢厚生年金を受けている70歳以上の方で厚生年金適用事業所に勤務されている方

 ・老齢厚生年金を受けている議員報酬のある方

調整がかかる年金

 ・加給年金を除いた老齢厚生年金(退職共済年金)の報酬比例部分

 ・厚生年金基金の代行部分

調整の対象となる収入とは?

 ・その月の標準報酬月額

 ・過去一年の標準賞与額の合計を12で割った金額(=月あたり)

計算方法

在職老齢年金による調整後の年金支給月額の計算式

  • 基本月額と総報酬月額相当額との合計が51万円※以下の場合
    全額支給
  • 基本月額と総報酬月額相当額との合計が51万円※を超える場合
    基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-51万円)÷2

※令和7年度の支給停止調整額

出典)日本年金機構ホームページ

具体例で解説

※端数処理については、50銭未満切り捨て、50銭以上は切り上げています。

例)
報酬比例部分:800,000円
過去一年の標準賞与額の合計:1,200,000円
毎月の標準報酬月額:300,000円

項目金額/計算式説明
報酬比例部分800,000円年金額の基礎となる金額
基本月額66,667円=800,000円 ÷ 12
過去1年の標準賞与額の合計1,200,000円年間の標準賞与額の合計
毎月の標準報酬月額300,000円毎月の給与の基準額
総報酬月額相当額400,000円=300,000円+(1,200,000円 ÷ 12)
基本月額+総報酬月額相当額466,667円=66,667円+400,000円
停止額の有無停止なし合計が510,000円以下のため

よくある誤解

❶ 農業や不動産収入は対象外  

❷ 70歳を過ぎても働き方次第で対象になる  

❸ 調整対象は「報酬比例部分」だけ  

❹ 厚生年金基金の代行部分も対象  

❺ 毎月の給料ではなく、標準報酬月額と賞与で判断

まとめ

在職老齢年金は、働く意欲を奪う制度ではありません。
正しく理解すれば、「損をしない働き方」が見えてきます。
不安な場合は、年金事務所での確認が確実です。
ムダに働き控えることなく、ライフスタイルに合った選択をしましょう。

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