母が昔よく言っていた言葉

親のこと

『女は 旦那、子供、親のどれかで苦労する。』
何回となく聞いた母の言葉。
母の母(祖母)の言葉を母がよく私に言っていたのだと思う。
今の時代にはそぐわないかもしれないが、忘れられない言葉である。

「苦労は買ってでもしろ」と言う言葉を聞いたことがあるが、
できればしたくない。
そんなふうに思っている私が母を見て思うこととは。

【苦労とは】
からだや心が、疲れたり苦しい思いをしたりすること。
骨折ったり心配したりすること

母の苦労

病気

幼い頃の怪我が元で、片方の腎臓が機能しなくなった。
まだ医学が進歩していない時代だったため、機能しなくなった方の腎臓に管を通し、そこから尿を出していた。小学校の修学旅行に行けなかったり、お腹にずっとサラシを巻いて生活していた。
中学を卒業してから通った洋裁学校の先生に、「あなた、ウエストがないのね。」と言われたことが悲しく、手術をすることを決意。
珍しい病気ということで、たくさんの医師が見守る中、大学病院での手術が始まった。しかし、腎臓を摘出しておしまいの簡単な手術だったそう。
あの、不自由だらけの生活は一体なんだったんだろうと、少しだけ悲しそうに話してくれた。

旦那(私にとって父)

すでに他界している父のことを悪くいうのは良くないかもしれないが、間違いなく旦那で苦労した。
仕事はきちんとした父だったが、ストレスを当然のように妻と子にぶつけてくるような人。
パチンコ依存症で、借金も作って、その都度母が尻拭いをしていた。
暴力はなかったが、暴言はひどく、精神的に参っていた時期もあった。
子供のことを常に守りながら、パートでの収入は父に見つからないように貯め、父の機嫌を損ねないように生活していた。

苦労しても

苦労することと不幸はイコールではない

お金のことや暴言、自己中心さ、わがままで、父は母のことを大切にしていなかったと子供ながらに思っていたが、仕事はきちんとしていて、食べることに困ることはない生活をしていた。
怪我が元で不自由な生活を強いられて過ごしたが、家族、親戚、友達の愛をいっぱい受けて育ったと常々言っている。

時間が解決してくれる

父が亡くなってから四年。『お父さんのおかげで生活できている。頭に来たことも忘れちゃった』が口癖になった。

いつかは終わりがある

自分が先か、相手が先かはわからないけれど、
いつかは別れが来る。

思うこと

そういえば、
『女は 旦那、子供、親 どれかで苦労する。』とは言っていたけど、それが不幸だとは一言も言ってなかった。
83歳になった母に真意を聞いても『そんなこと言ったかな〜』くらいの感じ。
苦しいと思うことが続いていて、私は不幸だと思っていても、いつか『苦労もしたけど、私は幸せ』って言える日が来ますように。

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